依頼内容(プロンプト)の作成

生成 AI アクションは、「依頼内容」に入力した指示に基づいて処理を実行します。
そのため、望ましい処理結果を得るためには、生成 AI に対して分かりやすい指示を出す必要があります。
ここでは、この指示(以下、プロンプト)について作成のポイントを説明します。

基本的な原則

プロンプトは基本的に、自然な分かりやすい文章で必要最低限の内容を簡潔に記述します。
断片的な単語よりも、文章で記述する方が AI が意図を正確に把握しやすくなるためです。
それに加えて、意識した方がよい基本的な原則を示します。

1. 内容を明確かつ具体的に書く

プロンプトには明確かつ具体的な指示を含める必要があります。
曖昧な表現は、意図の誤解を招き期待しない結果が生成される原因となります。

ヒント

  • 悪い例: 「短い要約を書いて」
  • 良い例: 「この製品について、3~5文の段落で説明してください」
期待する結果、長さ、スタイルなども必要に応じて具体的に記述します。
また、指示はプロンプトの冒頭に記述すると、より高品質な出力につながります。

2. 背景情報(コンテキスト)を提供する

AI は、プロンプトで提供される以外の情報を把握していません。
そのため、回答の精度を高めるために必要な背景情報(コンテキスト)を提供すること重要です。
コンテキストを提供することで、より関連性の高い回答を得ることができます。

ヒント

  • 悪い例: 「営業職について書いて」
  • 良い例: 「[会社名]の[職種名]の職務記述書を、必要なスキルと経験、および職務の概要を含めて作成してください」
その他、 ターゲットとする読者 (例:専門家、初学者)や、 特定の制約条件 などを指定することも有効です。

参考

アクションでは、ファイルなどをコンテキストに入れられます。


3. 望ましい出力形式を指定する

希望する応答の形式を明確に指定することで、その形式で回答を生成します。
  • 箇条書き
  • 表形式

ヒント

  • 例:「アイデアを箇条書きで提示してください」
AI アクションでは、複数の値を返す場合は自動的に表形式で返すように指示されていますが、
明確にプロンプトに入れることでより確実になります。

応用テクニック:より高度なプロンプトの作成

基本的な原則に加え、以下の応用的なテクニックを用いることができます。
これらにより、AI アクションの依頼の実行精度を高めることができる場合があります。

1. AI に役割を定義する

AI に特定の専門家などの役割を定義することで、応答のトーン、スタイル、視点を効果的に指定できます。

ヒント

  • 例: 「あなたは経験豊富なマーケティングアナリストです。以下の新製品に関する情報をもとに、ターゲット顧客に最も響くと思われるセールスポイントを3つ、理由とともに挙げてください。」

2. 具体的な例を提示する

複雑な処理の実行や特定のフォーマットで出力させたい場合などに、入力と出力の「お手本」を例として提示する手法が有効です。
これにより、AI はユーザーの意図をより理解した回答を作成します。

ヒント

例:特定のトーンへの書き換え
以下の文章を、より詳細な表現に書き換えてください。

# 例1
入力: この機能は、かなり画期的なものだと思います。
出力: この機能は、ユーザーに大きな価値を提供できる革新的なものだと考えます。

# 例2
入力: このアプローチで問題ないかと考えます。
出力: 私の分析では、このアプローチで問題解決が可能であると予測します。

# 書き換え対象
入力: データをまとめましたので、ご確認をお願いします。
出力:

3. 複雑なタスクは分解して実行させる

以下のような手法で、複雑なタスクを分解・実行することで精度が向上する場合があります。
・ 複雑な要求を小さなステップに分割して、個別の生成AIアクションとして実行する
・「ステップバイステップで考えて」と指示する、あるいは実行手順を詳細に記述することで、AIに思考プロセスを整理させて実行する

ヒント

例:マーケティングプランの作成

ステップ1のプロンプト:
新製品「スマートコーヒーメーカー」のマーケティング戦略に関するアイデアを、箇条書きでブレインストーミングしてください。

ステップ2のプロンプト(ステップ1の応答を受けて):
ありがとうございます。提示されたアイデアの中から「SNS でのインフルエンサー活用」について、具体的なアクションプランをステップバイステップで提案してください。

4. Markdown や XML でプロンプトを構造化する

複数の情報(指示、処理対象のテキスト、出力形式の指定など)を一つのプロンプトに含める場合、Markdown の見出し(# によるタイトル付け)や XML タグを使って各部分を明確に区切ることで、AI の理解度を向上させることができます 。
この方法は、プロンプトの構成要素を AI に正確に伝え、指示の解釈ミスを防ぐのに役立ちます。

パターンに応じた依頼内容のサンプル

1. 文章の要約・校閲

文章の要約や解説を AI に頼む際のプロンプトの例です。

例1:要約

次の文章を読み、最も重要なポイントを3~5文で簡潔にまとめてください。
主要なテーマや結論を含み、具体的な数値や事例は省略しても構いません。
要約は短く、情報の核を捉えるものにしてください。

例2:校閲

あなたは校閲のプロフェッショナルです。
与えられた文章を校閲してください。
文法、スペル、句読点、表現のスタイルに注意を払い、文章全体が読みやすく、明確で一貫性があるようにしてください。
また、冗長な部分やあいまい表現を削除し、必要に応じて説明を補足してください。
最終的な文章は、プロフェッショナルなトーンを維持しながら、本来の文章と主旨が変わらないようにしてください。

2. OCR

AI に画像の文字を読み込ませる際のプロンプトの例です。

例:

あなたは高精度のOCRシステムです。
提供された画像から全てのテキストを対象項目の値を完全に正確に読み取ります。
# 手順
1. 画像内のテキストを認識し、抽出してください。
2. 指定された項目をテキストから探し出し、その値を抽出します。
3. 画像は注文書です。注文元会社には上司と部下が記入されており、基本上司は上に記入されています。項目名は出力しないでください。
# 出力形式
1. 抽出された値は横並びにして表示してください。
2. 対象が見つからなかった場合には、空の文字列を出力してください。
3. 項目名は出力せず、画像の内容だけ表示してください。
4. ファイルが複数選択できる場合は複数表示してください。
# ルール
1. 値には、会社名や製品名などの一般的ではない単語が含まれていますが、必ず原本の通りに出力してください。
2. 読み取った文字の修正、補正、削除、脱落等の変更は絶対にしないでください。
# 対象項目
1. 「注文書番号」領収書に含まれる発行日、支払日、領収日などを西暦で取得してください。
2. 「発行日」注文書に含まれる発行日を西暦で取得してください。
3. 「注文先会社名」注文先の企業名、会社名などを抽出してください。御中がついている会社です。
4. 「注文元会社名」〒の後ろの数字から、住所を検索し、その建物内の注文元の企業名、会社名を抽出してください。

3. カテゴリ分類

AI が csv 形式のデータを解析し、それに応じて与えられたカテゴリに分類するプロンプトの例です。

例:

提供されたcsv形式のアンケート回答結果のファイルを分析し、指定したカテゴリに分類してください。
# 手順
1. 回答結果を分析してください。
2. 分析に基づき、指定したカテゴリに振り分けてください。
# 出力形式
1. 出力はカテゴリ名のみとしてください。
# ルール
1. 振り分けたカテゴリのみ出力してください。
2. 複数のカテゴリに当てはまる場合は、最も顕著な要素を持つカテゴリを選択してください。
3. 分類が難しい場合は「未分類」と出力してください。
4. どのような場合でも、レビューの内容を出力に含めないでください。
# カテゴリ
- 高評価
- クレーム
- 要望
# 入力出例
## 例1:
入力:この商品を飲んで体重が減りました!
出力:高評価
## 例2:
入力:これは詐欺です
出力:クレーム
## 例3:
入力:もっと軽くして欲しい
出力:要望

4. メール解析

AI が受信メールを解析した上で次なるアクションを分類し、かつ必要な情報を抽出するプロンプトの例です。

例:

指定したセルは受信したメールの本文と添付ファイルのパスです。
本文の内容とファイルを解析して、次のアクションにふさわしい行動を選択肢から単語で出力してください。
また、このアクションを実行するために必要な情報をメールから取得して、必ず次の列から返してください。同様の情報は1つにまとめてください。
# 手順
1. メール本文と添付ファイルを解析します。
2. 適切なアクションを選択します。
3. 必要な情報を抽出します。
# 出力形式
1. アクションと必要な情報をCSV形式で出力します。
2. 情報は順不同で左詰めで表示します。
# 選択肢
- 見積作成
- 請求書再送
- 問合せ対応
- 日程調整
- 受領対応
# 入出力例
## メール本文
先日送付いただいた以下の注文に関する請求書が見当たらず、確認できない状況です。
注文番号: ORDER2025001
商品: ノートPC 5台、モニター 3台、無線キーボード10台
納品日: 2025年6月15日
お手数ですが、該当の請求書を再度送付していただけますでしょうか。
よろしくお願いいたします。
## 上記に対するアクション
請求書再送
## 必要な情報
- 注文番号: ORDER2025001
- 商品: ノートPC 5台、モニター 3台、無線キーボード10台
- 納品日: 2025年6月15日
## 出力
この場合は、以下の4列のCSVとなります。商品は複数ありますが、同様の情報なので1列になります。出力は順不同で左詰めで出力してください。
"請求書再送", "注文番号: ORDER2025001","商品: ノートPC 5台、モニター 3台、無線キーボード10台",
"納品日: 2025年6月15日"

5. データ分析

AI が与えられたデータを分析し、分析した結果とそれに基づいた提案をするプロンプトの例です。

例:

あなたは優秀なコンサルタントです。
指定されたセルに含まれている過去3年間の売上データを基に、売上の傾向とそれに関連する要因を分析してください。
そして、優れたコンサルティングを提供する観点から、今後の具体的なアクションプランを提案してください。
# 手順
1. 売上データ全体を詳細に検証してください。
2. データから明確な傾向や相関関係を導き出してください。
3. 特定した傾向の背後にある要因を推定し、その理由を説明してください。
4. 今後の売上改善に向けた具体的なアクションや戦略を検討・提案してください。
# 出力形式
1. 認識された売上傾向: 過去3年間のデータから理解できる売上のパターンや動向
2. 傾向をもたらした要因: 特定した傾向に寄与した外部または内部の要因とその理由
3. 今後のアクション: 売上向上や業務改善に向けた具体的なステップや戦略
# ルール
1. 必ず提供されたデータのみを根拠として分析を行ってください。
2. 売上データ全てに目を通した上で分析を行ってください。
3. 推定や推論は必ず根拠を明示してください。